『かげきしょうじょ!! シーズンゼロ』さらさと愛の出会いを描く前日譚!

感想・レビュー

100年の歴史ある「紅華歌劇団」で努力する少女たちを描いた『かげきしょうじょ!!』。

1話ではすでに入学し、ある程度関係性が築かれた状態でスタートしています。

しかし、その前日譚である『かげきしょうじょ!!シーズンゼロ』ではさらさと愛の出会いや、入学直後のエピソードが描かれているんです!

『かげきしょうじょ!!シーズンゼロ』って?

『かげきしょうじょ!!』はもともと集英社の「ジャンプ改」で連載していたのが、2014年に休刊に。

タイトルを『かげきしょうじょ!』から『かげきしょうじょ!!』に改め、「MELODY」にて移籍連載がスタート。

すでに集英社から発売されていた単行本2冊を白泉社から再発行したものが『シーズンゼロ』です。

ちょくちょくジャンプ作品ネタが挟まるのも納得。さらさや愛の入学前〜入学から夏頃までの出来事が描かれています。

「本編とシーズンゼロとの違いは?」と疑問に思う人も少なくないのですが、パラレルワールドや読切ではなく、前日譚にあたるお話。

時系列的には1巻の前なので、もし未読ならぜひシーズンゼロから読んでほしいですね。

さらさと愛の出会い

紅華歌劇団創立100年目の春。1135人から200人が選ばれた二次試験の日。

「入学前に立つと絶対トップになれない」とジンクスがある桜の木の下で、渡辺さらさと奈良田愛は出会うのです。

高い身長にふわっふわの髪。一目見たら忘れられないインパクトを残すさらさ。

紅華を知っている人なら近寄りもしないのに、何にも知らない2人だからこそのんきに写真を撮ったりできるんですよね。

ガール・ミーツ・ガール。その出会いから物事に無関心な愛の人生が変わっていくことになる。

ツンツン奈良っち

本編では「さらさ」「愛ちゃん」と呼び合う仲の奈良っちですが、出会った頃は何にも無関心で冷たく見える女の子。

「誰とも仲良くなる気なんてないの」なんて言っちゃうくらいのツンツン具合。

人に興味がないのも、執拗に男を避けるのも、過去を知れば仕方ないと思ってしまう。かなり重ためだからね…

そんな彼女がさらさに徐々に心を開き、友達になっていく。

「友達じゃない」とまで言い放った冷たさを知っている分「友達」に慣れない初々しさや、名前呼びを悩むのが微笑ましい。

いつか2人が同じ舞台に立つ日は来るのか。友達として仲良くするのも、ライバルとして切磋琢磨するのも見届けていきたい。

山田彩子の悩み

100期生のなかでも人一倍繊細な山田彩子。

せっかく紅華に入学できたのに、体型や成績に悩む日々を送る。そんな姿を見ていて辛いものがあった。

でも、思いつめる彼女に小野寺先生がかけてくれた言葉が優しい。夢を見失って諦めそうになったとき、気持ちに寄り添って彩子の原点を思い出させてくれる。

ネガティブな欠点ばかりが目についてしまうけれど、長所に目を向けるのも大事。

まだまだ夢の途上。未来はどうなるかなんて分からない。誰にだって可能性に溢れているのだから。

これから何度も越えられるか分からない壁は立ちはだかるだろう。それでも、諦めない限り道はきっとある。

彩子自身の長所、武器を忘れずに頑張っていってほしいですね。

14話でいったんシーズンゼロの幕は下がるのですが、そのまま『かげきしょうじょ!!』の1巻へ物語は続きます。

本編を読んだあとなら、よりキャラの理解が深まる。未読ならそのまま本編へスムーズに進めます。

ぜひ上下巻とも合わせて読んでほしいです!

関連記事

感想 カテゴリーの記事一覧